溶融亜鉛めっきの特性

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溶融亜鉛めっき

溶融亜鉛めっきとは、溶融した亜鉛浴の中に鋼材を浸し、鋼材の表面に亜鉛の皮膜を作る技術です。

溶融亜鉛めっきには、主に2つの大きな特長があります。

1.保護皮膜作用

保護皮膜作用とは、亜鉛めっきの表面にできる亜鉛の酸化皮膜が、空気や水を通しにくく安定した性質を持っている為、錆びにくくする作用です。

保護皮膜作用

2.犠牲防食作用

犠牲防食作用とは、亜鉛めっきに、万が一、キズが発生し、素地の鉄が露出しても、その周囲の亜鉛が電気化学的に保護し、鉄を腐食させない作用です。

犠牲防食作用

耐食性

緻密な保護皮膜と電気化学的防食作用による優れた防錆効果が得られるので、大気(排気ガス)、海水、淡水、土壌(地中)、高温・多湿などの厳しい環境条件から鉄を守り、鉄の製品寿命を大きく延ばします。

暴露試験地域 耐用年数
(年)
平均腐食速度
(g/m2・年)
都市・工業地帯 62 8.0
田園地帯 113 4.4
海岸地帯 25 19.6
  • 上記の数値は(社)日本溶融亜鉛鍍金協会による10年間(1992-2002)の大気ばく露試験結果
大気の環境別耐用年数

優れた密着性

亜鉛めっき層の組織・物性

溶融亜鉛めっき種類及び記号(参考)

種類 記号 適用例
2種35 HDZ35 厚さ1mm以上2mm以下の鋼材・鋼製品、直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金類。
2種40 HDZ40 厚さ2mmを超える3mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
2種45 HDZ45 厚さ3mmを超える5mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
2種50 HDZ50 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
2種55 HDZ55 過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
  • 1.HDZ-55のめっきを要求するものは、素材の厚さ6mm以上であることが望ましく、素材の厚さが6mm未満のものに適用する場合は事前に受渡当事者間の協定によります。
  • 2.表中、適用例の欄で示す厚さ及び直径は呼称寸法によります。
  • 3.過酷な腐食環境とは、海塩粒子濃度の高い海岸、凍結防止剤の散布されている地域などを言います。

溶融亜鉛めっき付着量(参考)

種類 記号 付着量(g/m2 平均めっき膜厚(μm)
2種35 HDZ35 350以上 49以上
2種40 HDZ40 400以上 56以上
2種45 HDZ45 450以上 63以上
2種50 HDZ50 500以上 69以上
2種55 HDZ55 550以上 76以上
  • 1.膜厚とは、めっき表面から素材表面までの距離を言います。
  • 2.平均めっき膜厚は、めっき皮膜の密度を 7.2g/cm3として、付着量を除した値を示します。

めっき面に現われる現象

名称 状態 主な要因
不めっき めっき層がなく素材面が露出。 工程欠陥・素材欠陥・素材の形状・空気抜きの欠如
たれ 部分的な亜鉛の著しい付着。 工程欠陥・素材の形状
やけ 金属亜鉛の光沢がなく、つや消しないし暗灰色。 工程欠陥・素材欠点
素材の形状
変色 薬品等の付着による変色。 保管・運搬
シーム 線状の凹凸。 素材の表層欠陥
ざらつき 粒状の亜鉛の付着、ドロス付着。 工程欠陥・素材の形状
かすびき 亜鉛酸化物又はフラックス残さの付着。 工程欠陥・素材の形状
きず 表面の局部的な凹凸。 工程欠陥・運搬の条件(結束等)
素材の形状
白さび 水酸化亜鉛・酸化亜鉛を主とする亜鉛化合物の粉末。 保管場所・環境
気温の変化と湿度